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蓄熱槽内の潜熱蓄熱材(PCM)における流れと熱伝達のモデル化

今回は、矩形蓄熱ユニット(横 12mm×高さ 100mm)内の相変化材(PCM)において 2 次元、非定常の凝固計算を行いました。
ここではユニットが奥行き方向に十分な長さを持ち、かつその境界は十分に断熱されているという事から 2 次元計算にしています。

PCM は壁厚 1mm のアルミケース内に含まれるパラフィンワックスで、液相線温度を 27℃、固相線温度を 24℃とします。

システム全体の初期温度は 27℃であり、垂直な側壁は断熱とします。シミュレーションでは、熱は規定(5W/m2℃)の熱伝達係数(HTC)を用いてケーシングの上部へ 27℃の雰囲気から取込まれます。
同様に、規定(10W/m2℃)の熱伝達係数(HTC)を用いてユニットの水平底部を通して 6℃の雰囲気に排出されます。
計算は溶液の領域形状の対称性からその半分のみで行いました。

潜熱の放出には温度の一次関数として表現される線形位相変化式を使用しました。また有効比熱によるPrakash and Voller のエンタルピ−ポロシティ相変化アルゴリズムを実装するために PHOENICS の In-Form 機能を使用しています。

融液中の対流がモデル化され、部分的に固化した領域は、多孔質媒体として扱われます。
各セル内の空隙率は固相分率 fs によって定義され、完全に固化した領域で fs は 1 になります。
部分的に固化した領域での速度を低下させ、完全な固体領域では速度を 0 にするために流れ抵抗の項を運動量方程式に導入しています。
抵抗の項は、Kozeny-Carman による多孔質媒体の式に基づいており、溶融物中の浮力は Buossinesq 近似を用いてモデル化しています。

PCM の相密度は 750kg/m3、相比熱は 2500J /kgK、 熱伝導率は 0.15W/mK、動粘性係数は 9.6×10-6m2/s、及び融解潜熱は 200kW/kg として計算しました。

アルミニウムの物性値は次の通りです:密度=2700Kg/m3、比熱=896J/kgK、熱伝導率=204W/mK。

質量、運動量及びエネルギーの保存方程式を解くことによって、30 分間ユニット基部から除熱される凝固プロセスの非定常シミュレーションが行われます。 計算の時間ステップは 5 秒としました。


In-Form 機能は、指定されたモニター・ポイントの温度、固相分率、実効比熱およびエンタルピーの時間履歴が含まれる MONTAB.CSV と呼ばれるファイルの出力、およびユニット基部の熱伝達率を生成するために使用されました。

 
 

固相分率コンター図

蓄熱材温度コンター図

上に示した最最後のグラフは、PCM底部右側隅における固相分率(fs)と
ユニット基部の熱伝達率(W)の時刻暦です。

 




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