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直交格子法について

 流れの数値解析(CFD)を行うには通常計算格子が必要になります。CFD では元々連続的な物理量を、不連続な計算格子上で取り扱い(離散化)、近似解を求めます。CFDでの計算格子の役割をデジタルカメラ画素に例えるとわかりやすいです。100万画素デジカメよりは1000万画素のデジカメがはるかに鮮明に映る(精度が上がる)ように、CFDでも計算格子を増やすことで計算精度が上がります。


(a) 境界適合格子(BFC)    (b) 非構造格子      (c) 直交格子  

図1 CFDで用いられる典型的な計算格子

 CFDが始まったばかりの1950〜60年頃には直交格子(図1(c)参照)が使われていました。しかし、当時の直交格子では境界層流れや衝撃波などを正確に計算するのに不十分なため、1970〜80年代にかけて境界適合格子(BFC)技術が多く使われました。BFCのイメージを図1(a)に示します。BFCの弱点は格子作成の多大な時間と労力がかかる事です。そこで1990年以降、格子の自動作成が可能な非構造格子が流行り、今日CFDの主流にまでなりました。非構造格子作成ソフトも著しい発展を見せ、ほぼ格子の自動作成が可能になりました。非構造格子の場合、ほとんどの状況において格子の自動作成が可能ですが、格子作成にはかなりの時間を要します。例えばCFD技術を用いて形状最適化設計を行う場合は形状を調整しながら数値解析を進める必要があります。形状が変わるたびに、計算格子を作りなおす必要があるため、格子作成に膨大な時間が必要になります。このような背景で、格子作成に時間がかから
ず、且つ自動生成が可能な直交格子が再び注目を浴びることになりました。ただし、今度は計算精度面も工夫して、カットセル法や埋め込み境界法(Immersed Boundary Method,IBM)を搭載した形で登場したのです。

   直交格子は、カットセルやIBMを導入することで、計算精度が上がります。
   以下、カットセル法とIBMの概略を説明します。

 

カットセル法(Cut Cell Method)とは

 カットセルとは言葉とおり、直交格子(長方形)が固体物体にカッティングされ、残りの流体部分(図2)のことを言います。カットセル法は流体の支配方程式をカットセルの上で直接積分します。


図2 カットセルイメージ

埋め込み境界法(IBM)とは

 埋め込み境界法(IBM)とは流体の支配方程式に対し仮想外力項を加えることで、物体境界を再現する方法です。外力項を加える方法はさまざまなため、一言でIBM といっても中身は大きく異る場合があります。

  カットセル技術が流体シミュレーションに導入さたのは、NASA のM. J. Aftosmis 率いるCart3D プロジェクトが最初です。当時(1995年頃)のCart3D は非粘性圧縮流れを取り扱う3次元ソフトでしたが、現在は粘性流れの数値解析まで対応しています。Cart3Dの計算格子一例を図3 に示します。( http://people . nas .nasa . gov/ ~aftosmis/cart
3d/より引用)


図3 Cart3Dによる格子作成一例

Cart3Dの成功がきっかけとなり、2000年前後にアメリカを中心としてカットセル法、IBMに代表される直交格子に関する研究ブームがおき、多くの研究成果が発表されました。日本でも直交格子の研究が活発化され、計算力学やCFD学会ではしばしば直交格子法単独のセッションまで設けられるようになりました。

直交格子法は通常八分木法(Octree 法)と組み合わせて使われます。 Octree のイメージを図4 に示します。イメージとおり、一個の格子を八個に分割し、目標細かさまで分割していきます。図3 で取り上 げたCart3D の事例は
Octree 法が導入された直交格子です。Octree 法はの格子数を著しく下げられることで知られています。


図4 八分木(Octree)のイメージ

直交格子をメインで使用しているPHOENICSはカットセル法とIBM両方搭載しています。PHOENICSではそれぞれPARSOL法とSPARSOL法とよんでいます。

  カットセル法やIBMを導入した直交格子を採用している商用ソフトとしてPHOENICS以外にFLUENT(Ansys社)、STREAM(Cradle社)、FlowSimulation(SolidWorks社)、FloEFD(Mentor Graphics社)などがあります。カットセル法やIBMを導入することにより直交格子の適用分野が広がる気がしますが、計算精度はどうなるのでしょうか?今回は非圧縮層流の2次元並行平板間ポアズイユ流れよりカットセルの計算精度を検証することにします。十分発達した平行平板
間の幅(y)方向の速度の厳密解は式(1)になります。ただし、uは主流方向速度、xは流れ方向座標、yは流れに垂直方向座標、h平板間距離、μは流体の粘性係数、pは流体の圧力です。式(1)から、十分発達した平行平板間の中心線上速度は平均速度の1.5倍になります。

     
 図5 計算格子                       図6 速度ベクトル

平板の長さを1m、入り口平均流速を0.01m/sに設定し、計算を行いました。
図5、図6はそれぞれカットセル法を用いた計算格子とその計算結果である速度ベクトル図です。図7 二次元断面速度分布を示します。実線は式(1)の厳密解、赤丸は計算結果です。計算結果と厳密解との良好な一致が確認でき、流速の最大誤差が1%以内に収まっていることが分かります。


 図7 断面速度分布

 

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